原爆マンガから見るネット言説と販売戦略との関 係をめぐって ―こうの史代の『夕凪の街 桜の国』を中心に― 桜の国』を中心に―
原爆マンガから見るネット言説と販売戦略との関 係をめぐって ―こうの史代の『夕凪の街 桜の国』を中心に― 桜の国』を中心に―
何資宜
国立高雄大学東亜語文学科 助教授
徐柏茵
国立台湾大学日本語文学科 修士生
要約
『夕凪の街 桜の国』(2004、双葉社)が発行された際、最も強調された宣伝フレーズは「広島のある日本のあるこの世界を愛するすべての人へ」という言葉である。こうしたフレーズにより、「広島原爆事件の教訓は日本人だけではなく、世界の人々は不可分な関係になり、全世界と共に直面する歴史事件である」と意味付けられ、各国のマスメディアによって作品が紹介されることとになった。
そして興味深い出来事として、原爆マンガの元祖である『はだしのゲン』(1975-1987、汐文社)が世に出てから約 17 年の間、原爆をテーマにしたマンガは極めて少ないのにも関わらず、『夕凪の街 桜の国』が世に出たのを皮切りに、原爆に関するマンガ作品が雨後の筍のように出版されていることを挙げたい。極端に言うと、「マンガというジャンルを超え、社会現象になった感もある」とまで言われているほどである。こうした背景をもとに、従来タブーとされてきた感のある原爆マンガが、ネット時代である今日においていかに形成され、消費され、また、読者にどのように受容されたのかを検討したく、本稿は、その社会現象を作ったきっかけとされる『夕凪の街 桜の国』に焦点を当てて論ずるものである。
キーワード:原爆マンガ、『夕凪の街 キーワード:原爆マンガ、『夕凪の街 桜の国』、ヒロシマ、ネット言説、販売戦略
